2010年10月21日に開業した羽田空港第3ターミナル駅は、今年で開業10周年を迎えました。中でも話題になった設備としてホームドアを挙げる人は多いと思います。
異例!? 空港ならではの設置目的とは?
このホームドアは、空港施設内で使うカートが線路に転落しないように設置されたものです。
当時、鉄道のホームドアと言えば新交通システムやモノレール・地下鉄といった、ワンマン運転を行う路線に設置されることが一般的で、大手私鉄での採用例はほとんどありませんでした。*1
具体的な例として、2000年に東急目黒線の全線、東京メトロではワンマン運転を行う路線*2に設置されただけでした。
このことからも大手私鉄でホームドアを採用することが当時は珍しいことであることが伺えます。
ホームドアを設置した路線の多くは、TASC(定位置停止装置)などの支援システムがありましたが、乗り入れる車両が多彩な京急ではそれらのシステムを使わずにほぼ人力で電車を停止させています。それゆえに開業当初はオーバーランも多かったようです。
また、4ドア車の800形が旅客営業で空港線に入線できなくなるなど、800形が置き換えられるきっかけになったのもまた事実です。
開業してしばらくたった後、2011年には小田急線の新宿駅に、2012年には地下化を終えた京王線の調布駅を含む3駅*3にも設置されることになりました。
大手私鉄では異例のホームドアが設置されたこの駅は、その後に続く各社のホームドア導入の先駆けとも言えるでしょう。
こうして鉄道会社が次々と導入する一方、ホームドアに対応できない800形を多数抱えていた京急では、なかなか設置が進まない時期が続いていました。
4ドア車を急ピッチで一掃した京急
2019年6月に800形が引退したことでドア位置が統一され、ホームドアの設置が可能に。現在は羽田空港両駅に加え、京急蒲田、京急川崎、横浜、上大岡駅といった主要駅で設置が完了しています。
あとがき
開業から10年経った今は、ホームドアが設置された駅も多くなり、より安全な駅に進化しつつあります。地元の駅に設置される日もそう遠くはないでしょう。
↓鉄道コム ブログランキング参加中!